ネット上の発言は必ず本人特定される、という前提の方が良いよ。
インターネット上に公開した文章は
- 第三者が容易に閲覧可能
- 検索が容易
- 半永久的に消えない
という特徴があります。
もちろんそれぞれに各論/極論・例外(サービスが潰れるとか)はありますが、現在的に我々が把握できる時間軸や、感覚値ではそんな感じかと思います。
とくに、一部のブログや、SNS、twitterその他類似サービスなどでは、ユーザー同士の交友関係を表現する機能があり、かつそれらは第三者にも公開しているケースが多いため、たとえ匿名で記事を書いていたり、IDからまったく本人が想起できない状態でも、基本的にはユーザーの特定が可能です。
1月頭にホテル従業員がtwitter上で某有名人の来客をパパラッチして大騒ぎになりましたが、書き込んだユーザーの本人特定が恐ろしいまでの速さで行われたのは記憶に新しいところです。
1/11
22:50 問題のツイート
1/12
02:40 ν速に最初のスレが立つ
02:40 Twitterプロフィールから学部確認
03:07 Twitterの登録リストから◯◯学院であることを確認
03:13 アカウントのtkngから苗字は◯◯、◯◯を類推
03:15 mixiアカウント発見、参加コミュから◯◯入学の◯◯大、予備校は◯◯
03:15 Twippleの写真からウェスティンホテル東京を確認
03:17 Google検索、◯◯大学◯◯部、◯◯部に◯◯◯を確認
03:20 昨年の対戦相手、◯大◯◯部の試合記録にて◯◯大に◯◯◯を発見
03:36 過去のツイート「22階から見る景色」「忙しかった。そんなに高級鉄板焼きが食べたいか」勤務先「◯◯」確認
03:37 Twitter,Twilogとも魚拓確保
03:57 facebookアカウント発見、最初の顔写真
04:05 mixiアカウント名変更
04:05 Twitterアカウント削除
(—ここまで1スレ目—)
04:20 facebookアカウント削除
(これにてこれらのアカウントが同一人物であることがほぼ確定)05:30 ガジェット通信、ロケットニュース掲載
06:05 芸スポ板に最初のスレ
06:47 既婚女性板に最初のスレ
12:55 卒業アルバムの写真がうpされる16:48 MSN産経にニュース掲載
17:22 Yahooニュース掲載
21:05 総支配人からお詫び掲載
交友関係から所属が類推され、IDから本名が類推される、という流れ。
あとはtwitter上の情報とインターネット上の非匿名の情報(ホテルの写真や大学の学部のページ等)と突き合わせることで本人が特定される。
twitterやブログなどでたとえ本人が匿名で記事を書いていてもソーシャルグラフを見ることでその人がどのクラスターに属しているかは非常に分かりやすい。
mixiやFacebookなどのSNSの場合「友達にしか公開していないから」と安心してしまうかもしれませんが、「six degrees(六次の隔たり)」という有名な法則にもあるように、誰かと何かしらのつながりがある以上かならずそのユーザーまでたどり着けてしまう。
インターネット上で何かしら情報発信するということは、本人が特定される恐れがある、というか100%特定される前提で行わないと痛い目にあう、というのは色々な事件やニュースを見て頭では十分承知している人も多いとは思いますが、なかなかそこまで思い至らないのか不用意な発言をする人は多いですね。
一例をあげると、前職たまたま同じ職場にいた人が、会社・部署・職種が特定できる状態で、日常的に業務を放棄してタイなどに売春ツアーに出かけていたり、マニラに半年くらい休職して沈没したい(裏社会に入り浸りたい)という記事を頻繁に書いています。他にも法に触れるかどうかは別として閲覧者に非常に不愉快な印象を与える記述も多く、これが会社として全くおとがめが無い、容認されているのがスゴイと思います。
(ただし何かをきっかけに大炎上するリスクは抱えていて、かつ今から過去の記事をもみ消すのは難しい・・・)
自らを振り返って、じゃあどうすればこういうリスクが防げるのか・・・と考えると
- 正々堂々と生きる
- ネット上の人格とそうでない人格の「オン」「オフ」のメリハリをつける
の2つを実践するしかないと思います。